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エンジニアが勉強するモチベーションを例に、ルールと制度と文化の違いを理解する

time 2016/08/25

ふと最近「なんでエンジニアはそんなに勉強するんだろう?」という疑問について考えたことがありました。

というのも、ぼくは諸事情からSEやWeb エンジニア志望の大学生にプログラミングを教えることがあるのですが「エンジニアはプログラミングを勉強し続けるものだ!!」という(エンジニアの間では当たり前な)理論が社会人には通じても学生にはいまいちピンと来ないものだと気づいたからです。

これについては人によって答えがバラバラだと思いますが、だいたい3つに分かれるのではないでしょうか。

例えば「なぜプログラミングを勉強するのか」を学生にとっての例とともに示すと

  1. 義務やルールとして (例: 単位取得のため、入社までに必要)
  2. メリットがあるから (例: エンジニアになれば給与が良い、インターンや就活で有利)
  3. 興味や趣味で (例: アルゴリズムが好き、アプリを作りたい)

みたいな分け方が出来ると思います。

「すべき」「できる」「したい」の3軸フレームワーク

実はこれは、就活や研修でよく教えられる有名な思考フレームワークで、あることをする時のモチベーションを「すべき」「できる」「したい」の軸で考えるというものです。

この「すべき」「できる」「したい」こと3つが全て重なることを仕事にするのが最も良いと一般には言われていて、自分も改めてそうだなと感じたことがありました。

例えば

  • 研究としてのプログラミングは別にそこまでやりたいわけではないけれど卒業するために必要だからやるのでなかなか進まない
  • 趣味でやるプログラミングはやりたいからやっているけれど特に期限や質のボーダーはないので中途半端になってしまう

みたな感じで、どれかが欠けているとモチベーションは持続しないのかなと思いました。

前述の「エンジニアが勉強する理由」なら

  • そもそも「勉強したい」という気持ちがないと、いくら義務であってサポート制度があっても利用するモチベーションすら起きない
  • 「勉強できる」環境になければ(残業毎日終電まである等)、やはり物理的・金銭的に勉強することは難しい
  • 「勉強しなくてもしてもどっちでも良い」のではよほど自分に厳しくない限りいつまでも完了しないし、いわばただの趣味になってしまう

というように、3つの要素ともマッチしていないと集中的かつ継続的な勉強というのは難しいと思うのです。

ルール・制度・文化は3つの軸のモチベーションを広げる要因

そこで外部要因として、この3つのモチベーションを広げるのが「ルール」「制度」「文化」だと思います。

ルールは「すべきこと」を規定するもので、普通自分ではなかなか決められません。

しかし外部で「朝礼で報告しなければいけない」「勉強しなければエンジニアとしての市場価値が下がる」というルールが設定されていれば、嫌でも勉強をやるモチベーションになります。

そこに「できること」を支援する制度が必要になります。

例えば新しい技術書を買うことを支援したり、勉強会やカンファレンスへの参加費を負担してくれるといったような制度は、勉強できるという行動の幅を広げることにつながります。またリモートワークを許可するというのも時間の使い方の自由度を上げ、結果的に勉強できる可能性を上げることになりますよね。

でも最後に「したいこと」として勉強を捉えなければ行動につながりません。

そこには文化というものが絡むと思っていて、例えば周囲が積極的に勉強していて自分もそれに釣られるとか、LT会やQiitaで成果を報告することでドヤ顔できたり笑い合えるという文化が「したい」のモチベーションを広げていくことになります。

そしてここで最初の疑問である「なぜエンジニアは勉強するのか?」の答えに戻ると、この3つのうちどれかを理由にしている人もいれば、全てを理由に勉強する人もいるというのが答えになるわけです。

ただ一つ言えるのは成長の早い人は3つ全てのモチベーションを持ち、さらにそれを広げられる環境にいるということでしょう。

途中の例にも出したように、全てが上手く揃っていないと、結局やらされ仕事になったり単なる趣味に終始したりという結果になるので好ましくありません。

はじめのうちはこの考え方がよくわからないと思いますが、自分は幸いな事にインターンや趣味のプロジェクトなど様々なきっかけでプログラミングをすることで、上記のことを理解できました。

3つ軸で考えれば誰かが何かをやらない本当の原因が分かる

ちなみにこの考え方は他のことでも同じだと思います。

特に個人的な経験では「制度」について誇張されがちな傾向があると感じています。

つまり「そもそもそうすべき/したいと思う人が本当にいるのか」という点が見落とされているということです。

「うちの大学に来ればこんなことが学べます」「我が社に入ればこんな事業ができます」

確かに「できる」は大事だが、本人にもそれだけの「やりたい」モチベーションは本当にあるの?

少子化を止めるには産休・育休や保育制度の拡充が必要

子供を儲けなければいけない・儲けたいと本当に思っている人達って多いの?? 自分のことの方が大事だったり結婚するの面倒と思っているだけなんじゃないの??

起業家を増やすには資金や施設などの補助が必要だ

そもそも起業をミッションとして生きている人や会社を興したいという意欲のある人自体が少ないのでは???

議論はあるとおもいますが 、産休育休制度を義務化したりベンチャー支援を充実させるのは、実は「できる」ようにしているだけで、当事者自身が「しなければいけない」「そうしたい」と思わなければ意味は無いでしょうね。

以上、モチベーションの源泉について思考を整理しました。

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