imaizumeの個人メモ

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Android使いのiOSエンジニアになった経緯とまだiPhoneに乗り換えていない理由

はじめに

タイトルの内容について、新しく入った会社や会った人によく聞かれるので一つの投稿にしてみました。 個人用の名刺にも入れてもらったし、ブログの説明にも入れてみました。 読んで得られるものがあるかはわからないです。

Android使いのiOSエンジニアになった経緯

結論から言うと「元々はAndroidを5年近く使っていて」「入社したチームでiOSエンジニアが必要とされていたから」です。

新卒入社前

最初から書くと、自分は大学2年になるちょっと前くらい(2011年頭?)からAndroidスマホを使っています。 当時はスマホ向けにAndroid 2.3(GingerBread)が全盛期、またタブレット向けに3.0(Honeycomb)が出てきたばかりの頃でした。 なおPCは小学生から就職まで通算20年近くWindowsを使っていました。

当時はまだスマホユーザーがほとんどおらず、自分もAndroidはもちろんiPhoneという単語を知りませんでした。 (iPodくらいは知ってた) そんな早くからガラケーから乗り換えたのは、キャリア料金節約のためauからイー・モバイル(今のYmobile)への切り替えを「親から」提案されたからです。 (うちの親は節約が得意)

今こそMVNOの選択肢が増え大手キャリアから乗り換える方は多いですが、9年前にそれに気づいていた人はそうそういないのではと思っています。 なので、自分が好きで乗り換えというよりも親の言うことを聞いていたらAndroidユーザーになっていたという感じです。

そこで初めてAndroidを触れたのですが、正直インターネットやWiFiにつながるだけですごいと思っていましたし、家族もAndroidユーザーだったので特にiPhoneの方が良いと思ったことはありませんでした。 大学4年になる頃にはiPhone 5sを見かけるようになりましたが、機能としてはAndroidで十分だったのと、Apple製品の圧倒的な価格にはとても手が出なかった(これは今もそう)ので全く関心なし。 そのためiPhone自体、大学院で行ったインターンまで触れたことすらありませんでした、本当です。

インターンでは、両モバイルアプリとサーバーサイドをマルチに開発するスタイルだったためiOS開発もやることになり、ここで初めて検証端末でiPhoneを触った気がします。 でもiPhoneの触り心地はもちろん、Objective-Cを書いたこともほとんど覚えていません。 ちょうどAuto Layoutの発表があった後で、チーム全体でその対応に追われていた記憶がありますが、まだiPhoneに対する知識が浅かった自分は、Auto Layoutという概念の登場に対する重要性をそこまで理解できていなかったかもしれません。

新卒入社後

院を出る3月にAppleの学割が切れるからと、Macbook Pro 13"を駆け込み購入しました。 人生初のApple製品の購入でした。 しかし入社後に配属が決まるまでは、まだ自分がiOSエンジニアになるとは1mmも思っていませんでした。

入社後に1.5ヶ月ほど研修があり、その後の配属面談で「iOSエンジニアのポジションが不足しているので担当してほしい」と言われました。 自分は当時RailsJavaScriptなどのWebのフロントエンドを得意としていましたが、技術に関して特にこだわりがあるタイプではなかったのでやってみることに。 日本はiOSのユーザー比率が高いと言われていますが、実際自分が関わったプロダクトでも同様の傾向があり、施策の注力の対象がiOSであることが背景にあるのは間違いありませんでした。

bitwave.showcase-tv.com

また、自分以外の周囲のiOS技術者も、特に若手であるほどほぼ全員自分と同じWeb技術からの転向者でした。 これはネイティブアプリ、特にiOSについては開発環境としてmaciPhoneを購入しなければならないため、学生や未経験者が手軽に手を出せるものではないからだと言われています。

自分が最近初学者向けの勉強会を開こうとしたときも、サーバーサイドやLinux周りだと需要があるのですがネイティブアプリはあまり需要がないことを知りました。 この辺はCloud 9のようなWeb IDEが出てくると良いのかなとも思っています。 実はすでにMacinCloudというクラウドmacOSを使えるソリューションはあるのですが、界隈でもあまり聞かないので普及させていかねばという気持ちになったりしてます。 あとはiPadのPlaygroundアプリも良いなと思っています。

話がそれましたが、結果として幸いメンターやチームメンバーに恵まれたこともありiOS開発を今日まで楽しく続けることができました。 ただ、長い間Androidを触っていたため私用端末をなかなかiPhoneに切り替えるモチベーションが湧かず、入社後もしばらくはiPhoneを持っていませんでした。 社用携帯でiPhone SEを支給されていた時期もありましたが転籍や転職でそれもなくなり、さすがにデバッグ用にほしいからと中古の6s端末(SIMなしストレージ16GB)を買ったのが2年前。 移行の面倒くささと長年のAndroid慣れによって完全移行のモチベーションは今なお低い状態です。

もっとも、2020年こそiPhone SE2が出るという噂が本当(かつできればTouch ID復活する)なら、初の新品iPhone購入が実現するかもしれません。 Androidがすでに大きいので6インチ以下なら買いかなぁと、あと最近は一定量まで無料のSIMカードというのもあるみたいなのでそれを挿してもいいかなと。

mobile.nuro.jp

まだiPhoneに乗り換えていない理由

それでもまだAndroidを使い続けるのはなぜか、改めて考えてみました。 デメリットに関しては知っている人が多そうなので省略します。

Androidにしかない機能

OSレベルでAndroidにしかない機能は実は多くあり、個人的な好みもですがどれも気に入っています。

  • 一部のアプリをバブルで画面の上にオーバーレイで出す (Facebook MessengerやAZRecorederなど)
  • iPhoneでは実質廃止されたTouch IDがAndroidではFace ID的なものと合わせて健在 (Touch ID割と便利なんだけどなぁ)
  • ウィンドウ分割 (iPadでは最近導入された)
  • ホーム画面に必ずしもアプリを置かなくて良い&ホームアイコンの配置が自由 (前者は好みだから良いとして後者は未だにできないのが謎)
  • ウィジェット (TODOリストやメモ、時刻表などでよく使う)
  • ドロワーUI (基本的には下タブの方が便利だがたまにほしい時がある)
  • 通知領域のカスタマイズ (iPhoneのコントロールセンターはカスタマイズ不可)
  • 通知のアイコンボタン長押しで設定に飛ぶ (コントロールセンターでWiFiBluetoothを長押ししても設定には飛ばない)

などなど。

Androidにしかないアプリ・有料で買ったアプリを捨てられない

約10年使っていると、過去に様々なアプリを購入していたりエコシステムにロックインされた状態に陥っています。 自分はGoogleに完全に依存した身体になってしまったため、Google OneによるバックアップやPlay Music等の支払いなどの一元管理といったエコシステムに完全に乗っかってしまいました。

またAndroidにしかないアプリもいくつか入れていて、操作を自動化してくれるTaskerSleepSmart Toolsなどは有料で購入したものでもあるのでなかなか捨てられずにいます。

あとはGoogle FitがApple Watchに対応したのもつい最近だと先日知りました。 iOSにもあるアプリでも、支払い方法の変更や移行の手間があるためやりたくないなぁというのが正直なところです。(ゲームなど、アプリによってはアイテムが引き継がれないこともあったりするので)

自社アプリのデバッグ・ドッグフード要員

これは自分だけかもですが、現職でも前職でも感じたのは、Androidを積極的に触ってドッグフーディングしているエンジニアやプランナーが少ないということです。 特に東京でテクノロジーに明るい業界ほど、iPhonemacのユーザーは全国平均よりも高いのではないかと思います。 ざっと周りを見渡した感じもそうですし、よく「Androidエンジニアで私用端末がiPhone」という人を見たことがありますが、その逆は私以外まだ見たことがありません。

そのため、自社アプリのAndroidが少ないからこその貴重なフィードバック要員になること多いと自分は思っています。 仮に日々の業務で検証していたとしても、やはり日常的に使っていないと気づかないことも多いと思います(他社アプリとの比較や使い心地など)。 自分も最近まではiPhoneをあまり私用で使っていなかったのですが、AirPods Pro購入を機に私用として使う機会を意図的に増やしています。

また自分は毎年最新のハイエンドAndroidマシンを購入しており、そのたびにOSも最新に追従しています。 そのため、なかなか来ないOTAアップデートを待たずに動作をチェックできるというのは大きいなメリットかなと勝手に思っています。 もちろんiOSAndroidのユーザー比率や開発の優先度などサービス固有の事情によるところもありますが、開発者としていち早くキャッチアップして問題に気づけるということは大切です。

バックボタンが好き

Androidのナビゲーションボタン全体好きですが、特に自分はバックボタンが好きです。 たとえ Googleがバックボタンを辞めると言ってもです(笑) (今使っているOneplus 7 Proは公式からフォークされたOSが載っていてまだバックボタンがある)

たぶんですが、

  • iPhoneのバックボタンはナビゲーションバーにあるので指が届きにくいという物理的制約
  • テキスト入力の時に入力をやめてキーボードを隠したり、開いたドロワーを閉じたりする機能が直感的であると感じる点
  • どの画面にいてもシステムワイドに前に戻る(あるいはそれに準ずる動作)ができるという心理的な安心感

があるのが大きいのかなと。 もちろんこれも慣れの問題かもですが、やはり10年の生活習慣というのは染み付いてなかなか取れないものなのです。

変わり種なデバイスがガジェットマニアの心をくすぐる

AndroidiPhoneの決定的な違いといえば、デバイスのバラエティでしょう。 古今東西様々なデバイスが売られていますが、最近はSamsungのGalaxy Foldのような折りたたみ式端末や両面がディスプレイなNubia Xなどの変わり種が発売されています。

Oneplusを例にすると、7 Proにはノッチがなく、表面にはフロンカメラがないように見えます。 実はOneplus 6にはiPhone Xのようなノッチがありました。

そこで7 Proはどうなったかというと、なんとポップアップカメラ(写ルンですのフラッシュ的なやつ)に変わったのです!

www.dxomark.com

これはソフトウェアで制御されていて、使うタイミングで自動で出てくる仕様。 当然折りたたみ液晶もそうですが、こうした特徴はハードウェア的に壊れやすい弱点ともなるので扱いには注意が必要です。 (上を押さえつけたりしたら壊れそう) (フロントカメラに限って言えば、物理的に映らなくなるのでハッキングされて裏でカメラをONにされていたとしても被害を免れるのでは!?とも思ったり。) 正直自撮りをたくさんする人にはオススメできません。

それでもガジェットマニアにとっては、こういうところが面白くてついAndroidを買ってしまうというのはあるあるなのではないでしょうか。

ハイエンドマシンではiPhoneよりもAndroidの方が高コスパなケースも

実はハイエンドマシンのスペックに対するコスパでは iPhoneよりもAndroidの方が良いという見方もあるようです。 自分もPUBGやReal Racingなどのシミュレーション系ゲームを最高の設定でやりたくてハイエンドマシンを買っていたりします。 たとえば自分が今使っているOneplus 7 ProとiPhone Xs Maxを比較した動画がありますが、こちらを見るとどの操作もかなり互角でスムーズです。


OnePlus 7 Pro vs iPhone XS Max Speed Test

一方この投稿を書いた時点では、価格はSIMフリーモデルをExpansysで見た場合にOneplus 7 Proが約78,000円、iPhone Xs Maxが約110,000円でした。 雑な比較ですしAppleの買い替えプログラムやOneplusのハイエンド化などを考慮したらどうなるかはわかりませんが、額面だけ見た場合はやっぱりAndroidコスパは良いのかなと思っています。

www.expansys.jp

www.expansys.jp

あとはカメラについても以前はiPhoneの方が優位でしたが、最近は自分が写真を撮るとiPhoneユーザーからもすごくきれいと言われることが増えた気がします。 デュアルカメラも当たり前になってきましたし、ハードウェアモジュールレベルではもう差がでないのではないでしょうか。

その他

なおAndoroidの中でもここ数年ずっとOneplusを買っているのは、メーカー独自のプリインストールアプリがほぼないという点が挙げられます。 起動直後にホーム画面にあるのは天気とOneplusのコミュニティアプリくらいで、この点は他と比べてダントツに良いです。 この点を満たすのはAndroidでは他にGoogle純正のNexus / Pixelくらいではないでしょうか。

おまけ: 今まで使ってきたAndroidスマホ一覧

ということで特にオチはないので、最後に自分が使ってきたAndroidスマホを羅列します。 ()内は使い始めた時期です。

S31HT: HTC Aria (2011/03)

www.ymobile.jp

  • 一番最初に使ったAndroid端末
  • Androidスマホ史上でも最小の部類に入るのでは?
  • アプリ入れすぎると容量不足でよく落ちたのでテザリングで使うことが多かった

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HTC Aria(中央)は折りたたんだガラケーとほぼ同じくらい小さかった

GT-P6800: Samsung Galaxy Tab 7.7 (2012/06)

www.samsung.com

  • 懐かしのHoneycomb搭載のタブレット端末
  • 大画面で大学の講義のノートが取りやすかった
  • 通話もカメラ撮影もやってた思うけど今考えると光景がシュール

ASUS Nexus 7 2013 (2014/08)

www.asus.com

LG Nexus 5X (2015/10)

www.ymobile.jp

  • ようやく私用の端末を手に入れてスマホに戻る
  • しばらくカメラに不具合があってシャッターを切れないor切るのが異常に遅くていい写真が少ない
  • 指紋認証便利だと思う一方でUSB-Cの普及率がほぼ0でケーブル高い!!と思った

Xiaomi Mi5 (2017/04)

butsuyoku-gadget.com

  • 入社式の日にNexus 5Xが旅立ってしまい新生活早々非常に困ったことになったので急遽購入
  • 3万円以下でNexus 5X並の性能があって非常にコスパが良かったと記憶
  • カメラ性能があまり良くなくてそこだけは社用のiPhone SEに浮気していた

Oneplus 5 (2017/09)

  • Mi 5は半年も経たずに画面タッチが効かなくなりまたしても購入
  • 初めてのハイエンドマシンとして購入し現在も親が使っている
  • スペックの他に急速充電が非常に早いことに感動した

Oneplus 6T (2018/07)

  • Oneplusの満足度が高く1年毎に買い換える決意をした
  • サイズと重量が増したもののタブレット自体に比べれば全然余裕
  • 初めてのノッチ付き端末は通知領域が減って正直あまり良い印象はなかった

Oneplus 7 Pro (2019/06)

  • ポップアップカメラと液晶上での指紋認証、湾曲ディスプレイという驚きのハイエンド変わり種マシン
  • 横長の写真サイズが16:9から19:9に変わって横長すぎだろ!!って思った
  • RAMが12GBというモンスターモデルもあるらしいが前回が8GBで十分だったのでコスパを考えてやめた

まとめ

  • 約10年前に成り行きでAndroidを使うようになり生粋のAndroiderになった
  • 入社時に成り行きでiOSエンジニアになって今日に至る
  • iPhoneに乗り換えも検討しているが移行が面倒なのと好きなところがあるので乗り換えていない

結論: 「成り行き」

最後にHTC AriaとOneplus 7 Proで撮った二郎の写真でも並べておきますね。

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HTC Ariaで撮ったラーメ二郎(たぶん松戸)

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Oneplus 7 Proで撮ったラーメ二郎(夢を語れTokyo)