2021年の年初から、日本の様々な地方に出かけてご当地の料理を食べるというのをたくさんやってみたが、これがかなり面白かったので現在も続けている。
飲食店巡りは元々やっていたが、定期的に地方へ行って仕事をするついでに地物を探して食べてみたところ、毎回未知の料理や食材に出会うことができ、驚きや発見があってなかなか楽しい。
とにかく東京では食べられない美味いものは山程あるので、頃合いを見てぜひ食べてみることをおすすめする。
今年食べた地方の料理、食材、和菓子etc
各リンクにレポートを載せているのでご参考に
- (3月) 宇都宮: 餃子、ニラ料理、干瓢、五家宝
- (4月) 熊谷: フライ、熊谷うどん
- (4月) 米子: 大山鶏、鯵刺
- (3月) 松江: 山川
- (3月) 河口湖: 吉田うどん
- (4月) 出雲: 出雲そば、あすっこ、板わかめ
- (4月) 広島: 生牡蠣、がんす、お好み焼き、日本酒
- (5月) 小田原: しらす、おでん
- (6月) 新潟: へぎそば、笹団子、栃尾揚げ、ホタルイカ、鮭の酒びたし
- (6月) 銚子: 伊達巻き、アブラボウズ、入梅鰯
- (8月) 三重: 松阪牛
- (8月) 滋賀: 三井寺力餅
- (8月) 和歌山: 柑橘類
- (8月) 京都: 京豆腐、せいろ蒸し
- (10月) 秋田: いぶりがっこ、稲庭うどん、アカモク、比内鶏、きりたんぽ、ハタハタ寿司、納豆汁、川ガニ、横手やきそば、じゅんさい
- (11月) 大阪: 熱盛り蕎麦、芥子餅
もちろん東京で食べられるものもあるが、見かけてもなかなか食べないものも多いだろう。
例えば松阪牛やきりたんぽは東京でも食べれるが、食べようと思うと店や購入先のオプションが少ないので、結局食べないことが多いのではないか。
反面地元ならよりカジュアルにいろんな店で提供されていて、しかもたいていの場合は駅周辺の普通の居酒屋で食べられるので、わざわざ観光客向けの店に行く必要もない。
普通の料理にも個性がある
全国的に肉料理や刺身系は沿岸の都市なら地物が手に入るのでたいていどこでも美味しいということも分かった。
ただ、季節と地域によって食べられる魚の種類は全く変わってくるので、そのタイミングでしか食べられないものは地方に多い、あと地鶏は美味い。
春から梅雨までに食べられる脂ののった入梅鰯、ホタルイカ、ハタハタなんかがそうだった。
また和菓子も三井寺力餅や芥子餅のように賞味期限が短く東京には出てこないものが多いので、地方に行ったらなるべく買ってみることにしている。
うどんや蕎麦なんかも、ありきたりに見えるが実は地域によって個性がある。
出雲そばは籾殻が入っていてモサモサしているし、へぎそばは冷麺のようにコシが強く、熱盛り蕎麦はどちらかというと焼きそばに近いような柔らかい麺がかなり印象的だ。
近いうちに消えるかもしれない
この活動をやろうと思った理由に「近いうちに食べられなくなるかもしれない」というのがある。
というのも、今日本からはしれっと消えたり無くなるものが増えていて、飲食店や農林水産業もその1つだということは言うまでもないだろう。
元々飲食業界は競争が激しく、経営不振、シェフの引退、立ち退きなど、二度と食べられなく可能性はどの店にもある。
しかしコロナ渦でそれが一層加速し、人気店と言われるような店でさえ無くなってしまうことが多くなった。
生産者サイドでも、高齢化が進んだり温暖化で長期的には食べられなくなるものもあるかもしれない。
まだ食べたことがないが、青森の大鰐もやしは残る生産者が6件しかないと聞く。
こういう食材も今後の日本では増えてくると思っているので、今のうちに食べておきたいという思いがあるのだ。
いつかは永遠に来ない
地方の店を含め、自分も「いつか行けばいいだろう」と思っていた店が以前はたくさんあったのだが、お気に入りにしていた店が直近2年でどんどん消えてしまった。
もしこれが「いつか食べよう」のままだったら、そのタイミングは永遠来ること無く「食べておけばよかった」になってしまうことは言うまでもない。
もちろんそれがどれくらい大事なのか、どの程度後悔しそうかという問題ではあるが、自分は「できるのにやらなかった」という後悔が残ることは飲食については極力避けたいと考えている。
今年は緊急事態宣言が出た時期もあったが、基本的な対策をすることで感染リスクは十分下げられたと考えている。
- 混雑を避けるためなるべく平日に行く・空いている店・時間に入る
- 自前で衛生用品を持ち歩く・余計なものに触らない
- 喋らず食べる (基本1人なのでそもそも喋らない)
食に限らず将来無くなる可能性があるものを今経験しておくことは、価値のあることではないか?
そういうことを、今年の地方巡りからは改めて学ぶことができたし、実践できたのではないかと思う。