資源が有限の中でチームメンバー全員は救えない
当たり前なんですけどね、最近改めて思ったもので。
どんな組織(会社、研究室、スポーツのチーム)でも
- 時間
- お金
- モノ
- 技術
など使える資源は有限ですよね。
そして多くの組織は、利益や研究成果などの結果を出さなければいけないないということは言うまでもないでしょう。
この『有限のリソースを使い結果を出す』という行為には、必ず『不要な資源を切り捨てる』という考え方がセットになるわけです。
つまり合理的に不要なものを切り捨てられない人がリーダーになると、組織は確実に死へ向かうことになります。
特に資源を『ヒト』に限って言うと「メンバー全員を救いたい」という人は基本的にリーダーになるべきではないということです。
リーダーも人間なので同じチームのメンバーに厳しく接することが辛いことはわかりますし、そうするとチームから嫌われてマネーじできなくなるのではないかと心配する気持ちだってあるはず。
自分にもチームメンバーみんなに好かれ、組織と足並みが揃わないメンバーも全員救える人が良いリーダーだと思っていた時がありました。
でも結局そういう方針のリーダー・組織は、やっぱり最後に結果を出せないんですよねぇ...
ぼくが経験した限りでも
- みんな楽しく仲良くやりたいと言ってできない方の人に合わせてレベルを下げるサークル
- 何度チャンスをあげて諭しても反省しない学生の尻ぬぐいに自分の時間を割いてまで付き合う指導教員
- 仕事をしない管理職を「これまで頑張ってくれたから」とクビにせず他の社員に負担を押し付ける社長
などなど...
リーダーにとって決断すべきことの一つは「組織に必要なメンバーを選ぶこと」であり、その決断ができない人がリーダーになれば、組織は確実に殺されるということです。
「メンバー全員を助けて仲良くなれるオレ、カッコイイ」とか女神様気取りのリーダーは、いつまでも組織のベースレベルを上げられず優秀な仲間に見限られ、気づいた時には大事なところにリソースが回せない状態になって全員共倒れ必至です。
成果を出したいリーダーが選ばなければいけないのは「仲間」であって「友達」ではないということを頭に叩き込まないといけないですね。
チームメンバーのトリアージ
トリアージとは、負傷者を重症度、緊急度などによって分類し、治療や搬送の優先順位を決めることであり、救助、応急処置、搬送、病院での治療の際に行う。 ※トリアージ(Triage)は、治療(Treatment)、搬送(Transport)とともに、災害時医療で最も重要な3つの要素(3T)の一つである。
トリアージの意義 - 横須賀市医師会
極端な話「この人は重症過ぎて助かる見込みがほぼないけど、代わりに他の軽症者10人を手当した方が助かる見込み高いよね」っていう感じで『優先度を付けて負傷者を助けよう!』という考え方がトリアージです。
ビジネスパーソンなら誰でも「優先度を付けて『タスクをこなす』」ことは実践していると思います。
しかしリーダーは「必要な結果に対して優先度を付けて『メンバーを選別』」しなければなりません、それも「合理的な理由にもとづいて」です。
もし結果が全く出ていないなら、「創業期から頑張ってくれているから」というのはメンバーを残す合理的理由にはなりません。
既に述べたとおり、有限なリソースで成果を出すのに不要なヒト・モノ・カネを削る必要性は必ず出てきます。
本気で成果を出したいなら、あれこれ考えてネガティブな気持ちになる前にさっさとトリアージする決断を下しましょう!!
優先度付けとしての評価はメンバーのためでもある
このCAでの評価制度のように、組織に向いていない人を洗い出すのは、実は本人のためでもあったりします。
なぜならたまたまその組織に向いていなかっただけで、別の環境なら十二分に成果を発揮できる可能性があるからです。
もしリーダーが決断せずにダラダラと成果にコミットできないメンバーをおいておけば、その分メンバーにとっても本来他の環境で出せたはずの成果を逃すことになるわけです。
メンバーを追い出すことをなにもネガティブに捉える必要はなく、むしろ「君にとって、もっと良い環境があるよ♪」とポジティブに考え話しをすれば、お互いハッピーになれること間違いなしだと思いますよ。