目次
はじめに
2023年も毎年の恒例行事としてiOSDCに参加している。
iOSDCは i will blog
がキーワードのカンファレンス。
昨年はスピーカーだったこともあり体力不足でブログが書けていなかったが、今年はリモート参加で余裕があるので書いてみようと思う (ついでにブログも復活させた)
それで何を書こうかと考えたのだが、今回は「iOSDCのスポンサー企業変遷と傾向の可視化」をやってみることにした。 自分もこれが5回目のiOSDCになるが、登壇者の顔ぶれと同様、スポンサーの顔ぶれやその移り変わりがふと気になったからである。 また、オープニングで毎年「スポンサーしてくださる企業様、本当にありがとうございます!」という挨拶を聞いたときにも「毎年スポンサーしている企業ってどのくらいあるのだろうか」「通算どのくらいの額をスポンサーしているのだろう?」と思った。
こういうメタ的な考察も面白いかなと思い、今回は公式サイトからスポンサー企業データを集め、スプレッドシートので集計した結果を見てみることにした。 (ちなみに過去には、iOSDCのノベルティグッズの紹介をしたことがある)
お断り
- 集計の都合上、スポンサー名の表記は正式と異なるケースがあるのでご容赦を
- データ・数字は独自に手入力で集計したもので正確ではないです
- 買収や合併等を確認した企業・サービスの一部はこちらでマージしています (JapanTaxi -> Mobility Technologies -> Goなど)
集計データ
データが多くスクショが大変なのでSpreadsheetのリンクを載せておきます
- 2シート目以降にピボットテーブルで集計を結果 (この後それぞれについて解説)。
- 原則全年で総計した値の降順でソート
- この投稿に貼っているスクショは上位の一部及びグラフのみなので、全体は上記から参照されたい
ユニークスポンサー数
プラン数に関わらず1開催で1つでも何らかのプランで協賛した場合を1として集計したデータ。
プラン合算スポンサー数
各プランを1として集計し、複数プランでのスポンサーも考慮した値。
主要プラン
主要プランで協賛した企業のリストです。
- ダイヤモンド (4)
- プラチナ (3)
- ゴールド (2)
- シルバー (1)
上記の()内の数字が表内の数字=プランに対応しています
オプションプラン
オプションプランで協賛した企業のリストです。
- ブース
- 幕間動画
- Tシャツ
- スポンサーセッション
- ネットワーク
- 料理
- ドリンク
- グッズ
年によって若干名称が異なるケースや、2023年現在は消滅したものも含んでいます。
考察・感想
年ごと
- 2019まではゆるやかな上昇も2020にコロナによるオンライン開催で一度縮小
- しかし翌年にはトレンドが復活し2023年は脅威の80社を突破
- 参加者視点で見ると、年々スポンサー紹介が豪華になっていっているなという実感がある
企業ごと
- これまでにスポンサーのべ174社! 若干の重複等があるにしても、累積の実績としてはなかなかすごい数!
- 初年から毎年スポンサーをしている企業は5社、どこも日本ではビッグテックと呼ばれるような企業で、iOSDCに限らずコミュニティで常日頃支援をしてくれているという印象。
- Yahoo! Japan は唯一の全年Diamond協賛、技術・カンファレンスに対する力の入れ方が段違い!!
主要プラン
- YUMEMIがYahoo! Japanと同じく初スポンサーから4年連続でDiamond。たしかに自分もYUMEMIを知ったのはiOSDCで、ノベルティのクリアファイルを見て面白い会社だなぁと思った記憶あり。
- HANDS LABさんは昨年まで全年スポンサーだったが、2023年は協賛なしというのが残念。
- 複数プランで継続的に支援している企業も多く、2023年はteamLab / YUMEMI / pixiv / cybozuが4プランでスポンサーしているのもすごい。
- 他方、2023年のRIZAP、2022年のMagicPodのように、いきなり初登場Diamondスポンサーというパターンも見られる。
- 1参加者(及び協賛経験者)視点だと、プランはどれであれ単発よりも継続性があると「あの企業、いつもiOSDC協賛してるな感」が出て認知が浸透するように思う。
- その意味で、逆にHANDS LABは2023年の協賛こそないものの、なんとなく頭の中では「今年もスポンサーしているよな、きっと」というイメージだった。
- 協賛企業における多様性が年々高まっているように見える。主要プランはメガベンチャーが多いものの、全体で見ると規模も事業内容も多種多様になってきている。
オプションプランごと
ブース
- 2017年の10から2023年にはその3倍に。
- 出展ニーズだけでなく、枠数=運営能力のバランスが必要なので、数の増加は運営の成熟とニーズ拡大の両面があったものと見れる。
- 2023に3年連続出展の常連が増えたものの、それまでは割と入れ替わりが激しかったようにも見える。
幕間動画
- 実は2021年までは1社の独占状態だった。
- これもまだ入れ替わりが激しい状況?
- 動画制作が大変だったり、費用対効果を見極めている企業が多いということかも?
Tシャツ
- 22,23年のスポンサーは固定化しつつある。
- しかし全体で見ると入れ替わりが激しいように見える
スポンサーセッション
- RECRUIT・楽天が常連
- こちらは2023年にセッション数が大きく増えたため、新たなスポンサーの参画に期待
ネットワーク
- 初年は複数社の共同で提供されておりまさに黎明期という感じ
- 2019年にKadokawa、2020年にdwangoが協賛となり、ネットワークチームも年々成熟して安定的なサービス提供ができる体制になっていったと思われる
フード
- 2019年をもって終了。
- コロナ前まではフード系の専門スポンサープランもあり、個人的には2019年の無限コーヒーにはかなりお世話になった記憶あり。
- 提供内容ごとのスポンサーをやめ、主要プランによる大口での金銭・ノベルティ支援に代替されたものと思われる。
ドリンク
- 2020年をもって終了、こちらも理由はフードと同じと思われる。
- Quipper、そして懐かしのOrigami(現メルペイ)が...
グッズ
- 2019年終了、理由は同上と思われる。
- 現在は公式ロゴ入りのものに代替されている。
- 余談だが、元同僚が自社がスポンサーしたときのストラップをずっと社員証につけて使い続けていたことを思い出した。
まとめ
- 2023年はスポンサー数が全体的に大きく増え、コロナで一度止まった規模拡大が大きく勢いづいた
- おなじみの顔ぶれにも一部変化が出たり、枠増加に伴って新参スポンサーが増えたことはスポンサーの多様性増加に繋がっていると見える
- 1参加者としては単発よりも継続的なスポンサーの方が、記憶には定着しそう。企業目線=費用対効果の面でも、無理に高いプランにするよりは支援できる範囲で継続してやっていくのが良いのかもしれない。
- 実は以前スポンサーとして参加したときに実際の金額を見たことがある。これがなかなかの金額であり、加えてノベルティやパンフ入稿などの労力も考えると、登壇者・運営だけでなく各企業も毎年よく頑張っているのだということを改めて実感する
- なお具体的な価格については、年度によって異なること、また限定公開情報と思われるためここでは割愛する
- 継続支援、ましてDiamonやPlatinumでしている企業は、体力というか技術投資にかける力が本当にすごいのだと思う
- ここにさらなる企業情報(組織規模や株価)なんかも加えて見られたら面白いかもしれないが、それは「iOS開発者のお祭り」という見方を超えるものになってしまうのでやらない (そもそもデータ集計できないし)
- 来年も開催されたら更新してみようと思う
参考文献
歴代iOSDCの公式サイトのスポンサーページ